4/27 ピンクの国


「歩かないとなにも始まらない」
そんな鳥の一言でぶたたちは隣に国「ピンクの国」に行く事のしました。こんな気障なことをさらっと言えてしまうところが鳥のいいところです。
しばらくすると、ピンクの国につきました。そこはピンクを愛する者の国。家、服、食べ物から肌の色までピンク色です。主食は桃。
そこには厳しい検問が待ち受けているのでした。

…つづく。



4/27 入国


ピンクの国はピンクを愛する国。
入国するためには体の80%以上がピンクに覆われていなければいけない。服、帽子、着色などによってピンク色に包まれなければいけないのだ。
「ピンク色でない者は、とっとと出て行け!!」
ピンク色の服などもっているはずのない鳥と魔王はあまりにも酷い対応で追い返された。彼らはピンク色でないものには容赦はない。
とりあえずここまで来た事だし、ぶただけでも入国することにした。
そのとき魔王にちょっとした変化が起きていたのであった…。

…つづく。



4/29 観光


ぶたはピンクの国の内部に入りました。そこはまさにピンクの世界。
目に映る物すべてがピンク色。
ぶたは自分がここにいるべき生き物なのだと、感じるのでした。
しばし仲間の事は忘れてこの国を楽しむことにしました。

…つづく。



4/30 パーティー


ぶたが町を観光していると、そこは開けたにぎやかなところに出ました。 町の中心の広場で、観光客のためのパーティーが開かれていました。
あまりにも楽しそうだったので、ぶたも参加する事にしました。
それからはしばらく、ぶたは時間も忘れてパーティーを楽しむのでした。

…つづく。



5/1 不法入国


ぶたが入って行ってからずいぶんと時間が経ちました。日は落ち,いまはもう夜です。あまりに遅いので、呼びに行く事にしました。
しかし入り口は固く閉ざされてしまっています。
そこで塀を乗り越えて国の中に入る事にしました。見つかれば何をされるか分かりません。慎重にいかなければいけません。しかし魔王が思いのほか鈍臭かったのでした。

…つづく。



5/1 異変、衝動


なんとか塀を乗り越えるのは成功しました。
しかし、鳥の黄色と魔王の紫はピンクの国ではあまりにも目立ってしまいます。
鳥と魔王はすぐに、見つかってしまいました。
人々は言います。
「出て行け!」
「紫なんて汚い。」
「ピンクを犯すな!!」
「おまえらなんか!」
「汚らわしい!」
ぶたが聞いたら驚くような事を、ふたりは言われました。
そこで魔王の様子がおかしくなりました。
体から変なものが漂いだしたのです…。

…つづく。



5/2 再会、いかり


ぶたが帰ろうとすると、さわがしい声が聞こえてきました。
鳥たちは広場に逃げてきました。そこにはたくさんの人たちがいました。その中にはぶたの姿もありました。
突然みんなが怒りだし、叫びだしました。
ぶたは何が起こったのか分からず、ただ驚くばかりでした。
いくらやさしい人でも、自分の嫌うものに対しては怒ります。 これは普通の反応。
嫌いなモノになら、いくらでも酷い事を言えるのです。
ぶたが見るかぎり、魔王はひどく辛そうです。ふたりに駆け寄ろうとすると、
「そんなのと友達になっちゃ駄目だ!!」
ぶたはその言葉にムッとしました。そしてその言葉が引き金になりました。
魔王はもう限界だったのです…。

…つづく。



5/4 壊れ


魔王は怒りをあびせられ、衝動を抑えられなくなりました。

魔王は人の「怒り」が見えてしまいます。そのひとつひとつが魔王を刺激し、興奮させ、破壊衝動を起こさせます。
塀を越えようとした時、魔王の動きが鈍臭かったのは、その衝動を抑えていたためでした。

「やめて」という、声が聞こえました。
もう何も見えないけど、それは友の声です。でも魔王はこう言うのでした。
「ぶたが鳥と名乗っても、意味などない。俺は……魔王だ!!」

まおうは、コワレてしまいました。

…つづく。



5/4 それ故に名付けられた名前


…まおうはコワレてしまいました。体は強大化し、壊す為だけの体になってしまいました。

魔王は町を破壊しつづけます。ピンクの国は「赤の国」になってしまいました。もう誰にも止められません。みんな逃げ惑います。ぶたと鳥も逃げるので精一杯です。一体何がいけなかったのでしょう?

ピンクの国に来た事?
ふたりを置いて、ぶたが入国してしまった事?
勝手に塀を超えてしまった事?

どれも悪くはありません。
魔王は「魔王」であっただけなのです。魔王は、魔界の王。破壊する為の存在。それ故に名付けられた名前、…それだけのことだったのです。

…つづく。



5/5 無意識


ぶたたちは逃げ惑いました。魔王を止められなかった自分達の行動を悔いながら。迫りくる瓦礫と炎を避けながら、逃げました。
ふいに足下が巨大な影でおおわれました。上を見上げると塔が倒れてきます。避ける事が出来ません!ぶたと鳥はお互いに体を庇いあいながら、丸くなりました。
  …しかし、塔は倒れてきません。
見上げると、魔王が塔を抑えていました。だけど、魔王の目には意識を感じません。…無意識でした。
それから、魔王はまた町を破壊し始めました。ふたりはその魔王の後ろ姿を黙って眺めていました。

 …つづく。



5/7 たとえそれが間違いだとしても


ピンクに国はもうピンクの国ではなくなってしまいました。魔王は一晩破壊した後、どこかに歩き去ってしまいました。

ぶたたちは高いとこにのぼり魔王を探しました。しかしもう、魔王の姿はどこにも見えません。見えるのは魔王の足跡だけです。破壊の足跡はみんなから、魔王の道、とよばれるようになりました。
魔王は国をひとつ破壊してしました。この事はいずれ他国に伝えられ、魔王は世界の敵となるしょう。そして攻撃を受けるのです。しかしそれは、新たな怒りを生み、魔王の破壊は止まらないでしょう。魔王はいてはいけない存在なのです。

ぶたと鳥は焼け焦げた国を見ながら、同じ事を考えていました。
『魔王を助けたい…』
たとえそれが間違いだとしても、ふたりはそう思うのでした。

…つづく。



5/7 ちから


ふたりは今後の事について、話し合いました。
ぶたは魔王に近づくため魔王の攻撃を防ぐ力が必要だといいました。鳥は魔王と対抗する大きな力が必要だと言いました。一見同じことを言っているようですが、この二つの力はちがいます。一方は自分を傷つける力で、もう一方は相手を傷つける力です。ふたりはとりあえず西の町にいる魔女にあうことにしました。
ちなみに西の魔女はまだ死んでいません。



…次回



(*注意、絵と文章に関係はありません。ご了承ください。)